学会からのお知らせ
学会事務センター破産と学会の対応について

日本サンゴ礁学会会員の皆様

2004年8月19日 日本サンゴ礁学会会長 山里 清

拝啓

残暑の候、皆様、ますますご盛栄のこととお喜び申し上げます。

既に多くのメディアで報道されており、一部につきましては、メーリングリストに加入されている会員の方々にはsango-MLにてお知らせしておりますが、8月17日、サンゴ礁学会の会員管理や学会誌発送などの業務の一部を担っておりました、「財団法人 日本学会事務センター」が、破産いたしました。 以下に、これまでの一連の問題の経緯と、学会としての当面の対応について、破産した当日の午後、新宿厚生年金会館にて開かれました破産管財人による説明会での内容を含めて、ご報告いたします。

学会事務センターの一連の問題の背景と状況説明

財団法人「日本学会事務センター」(以下、センターとします)は、2003年にグループ会社の元社長が約5700万円を着服する不祥事を起こしていたことに加え、2004年になって、270を超える国内の学会からの預かり金の一部を自社のビル建設に伴う債務返済に流用していた事実が明らかになりました。

一連の経理状態の悪化を受けて、センターが今年7月に表明した経営自主再建のための取り組み指針は具体性に欠け、学会関係者の理解を得られるものではなく、8月6日、センターは東京地方裁判所に民事再生手続開始の申立を起こしました。しかしながら、8月9日に、同地裁はこの民事再生手続き申立を棄却し、同日、保全管理命令が発令されるに至りました。さらに17日には破産宣告(負債総額約30億円、現有資産1億5000万円)がなされ、センターの保有・占有する資産及び業務の掌握と今後の整理は全て、破産管財人に委ねられているのが現状です。初回の債権者集会は11月29日に開催が予定されています。

本学会への影響と今後の対応について

8月17日に、東京地裁から破産宣告を受けた結果、学会事務センター名義の口座にある国内各学会の預かり金の全額回収が見込めない状況になりました。 その中には6月の末から8月の頭にかけて、本学会員の皆様から学会事務センター宛に振り込まれました今年度の学会費が含まれています(8月6日の地裁による保全命令発令以降の入金分は、学会に返却されます)。この被害額がいくらであるのかは、現在破産管財人が調査中ですが、なにぶん200を超える国内学会が対象ですので、その詳細が明らかになるのは、9月末とのことです。回収不能となるお金は、業務全体を委託していた他学会よりは被害額として少ないものの、本学会にとって大金ではあります。今後も別管理していた学会資産等によって健全な学会運営を継続していくことができる見通しですが、今後の事態の進展と被害額に鑑みて、各種枠組みに若干の変更を加えることを余儀なくされた場合は、改めてご連絡差し上げます。

また、本学会が預けていた会員データ、会計資料(会費納入記録など)等は、現在、破産管財人によって整理が進められており、この確認作業が終わり次第、9月中に順次返還される予定です。これに基づきまして、今年度の会費納入者・未納入者の把握を行い、その後、未納入者の方には、新たな納入先への振込みをお願いすることになります。8月18日を持ちまして、指定振込み先の口座は閉じられておりますので、今後こちらからご連絡差し上げるまでは、学会費の振込みは見合わせていただきますよう、よろしくお願い致します。お知らせしましたように一部資産の損失を受ける状況ですので、振込先が決定しだい、皆様の早急な会費納入をお願い致します。なお、既に今年度学会費を納入して下さっている会員の方に、今年度会費として新たに請求することはございません。

今まで学会事務センターに委託しておりました業務のうち、学会費や会員管理に関する業務は、当面事務局にて受け持つことになります。今後の学会業務の委託先が決定して、改めてのご案内ができるまで、「住所・所属などの変更手続き、及び入退会依頼」は、ファックスか郵送にて下記までご連絡いただけますよう、よろしくお願い致します。

【 連絡先 】 〒113-0033 東京都文京区本郷7-3-1 理学部5号館6F 東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻 茅根 創 気付 日本サンゴ礁学会事務局 宛 (FAX: 03−3814−6358)

「変更届」は学会HPの入会方法からダウンロードできます。

また、「sango-MLへのメールアドレスの新規登録・変更・登録解除等」は、従来通り下記のML管理者の両名までご連絡下さい。 飯嶋:iijima@eps.s.u-tokyo.ac.jp と 所:tokoro@eps.s.u-tokyo.ac.jp

なお、この破産問題につきましては、今後、学会内に対応委員を設けた上で、学会事務センターに業務委託をしていた学会同士とも連絡をとりながら、各方面との交渉・働きかけを重ねたいと考えています。 まだ破産宣告がなされた直後の現時点では、現在の状況について学会として把握しきれない点が多く、今後の対応等について、会員の皆様に十分なご説明をさせていただくことができておりません。 事態が進展し詳細が明らかになり次第、学会ホームページ、ニュースレター等を通しまして、改めて連絡を差し上げることになります。 

以上、甚だ簡単ではありますが、報告とさせていただきます。

追記:本報告は、東大海洋研の梅沢 有さんと国士舘大学の中井達郎さんのご協力の下に作成可能となりました。梅沢さんには、今回の事態のはじめから、海外出張中の茅根事務局長と緊密な連絡を取りながら、適切に対応してこられましたし、中井さんは、8月17日の説明会に出席いただき、事態の把握に努められました。ご協力に深く感謝いたします。

敬具



←学会からのお知らせに戻る
Home


このページに関するご意見・ご質問はこちら