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2012/11/14日本サンゴ礁学会第15回大会 自由集会②「国内のサンゴ群集モニタリング:サンゴ礁保全への意志決定支援ツールとしての活用」のご案内

第15回日本サンゴ礁学会大会にて、下記の自由集会が開催されます。今回、サンゴ群集モニタリングに関して、実際のモニタリングからそのデータの活用方法まで、多彩な演者に恵まれております。お時間よろしければ、ぜひご参加下さい。

ーー以下転送歓迎。
自由集会②:国内のサンゴ群集モニタリング:サンゴ礁保全への意志決定支援ツールとしての活用

オーガナイザー:サンゴ礁保全委員会(中野義勝・井口 亮)

現在国内では、多くのサンゴ群集モニタリングが行われています。しかしながら、多くの自然環境モニタリングでも見られるように、その意義についての議論が十分でなく、その必要性についてのコンセンサスを得ることが難しくなっています。モニタリング結果を、地域のサンゴ礁保全の施策立案の意思決定に不可欠な要素として位置づけるためにも、そのデータ処理と活用の方法が必要とされています。本自由集会では、これらを見据えて、モニタリングデータの事例及び整理、統計モデリング、意思決定支援ツールへの応用などについて議論したいと思います。

日時:11 月 22 日(木)18:30~20:30 会場:理学部1号館7F710室

講演者及び発表内容(敬称略)
発表者1:山川英治((財)沖縄県環境科学センター)
タイトル:沖縄県サンゴ礁資源情報整備事業の紹介
要旨:沖縄県環境生活部自然保護課では、平成21〜23年度の3年間に『サンゴ礁資源情報整備事業』を実施し、沖縄県内の沿岸全域のサンゴ群集の現状を調査しました。全域における調査は1990〜1992年に環境庁(当時)が行った第4回自然環境保全基礎調査以来の20年越しの調査になりました。今回は事業で実施した調査結果について紹介します。

発表者2:木村 匡((財)自然環境研究センター)
タイトル:モニタリングサイト1000(サンゴ礁調査)の紹介
要旨:環境省では、日本全国の主要な生態系を対象に、その変化を把握して保全施策に反映させるため、『重要生態系監視地域モニタリング推進事業』(略称:モニタリングサイト1000)として生態系のモニタリングを実施しています。サンゴ礁生態系もその対象とされ、平成15年度よりサンゴ礁域及び高緯度サンゴ群集域を対象としたモニタリングを毎年実施しています。ここではサンゴ礁モニタリングのこれまでの結果を紹介します。

発表者3:浪崎直子(国立環境研究所)
タイトル:日本全国みんなでつくるサンゴマップ5年目の活動、次へのステップ
要旨:市民調査「日本全国みんなでつくるサンゴマップ」は、ウェブサイトから市民のサンゴ目撃情報を募集し、全国のサンゴ分布状況を明らかにすることを目的としたプロジェクトです。これまで3本の学術論文を出版し、環境省「サンゴ礁分布図システム」作成にも貢献、2年前からサンゴの白化・産卵・北上・回復情報を収集し、投稿データはリアルタイムでGoogleマップ上に表示され誰もが閲覧できるようになっています。今年集まったデータは10件、市民と研究者がサンゴ情報をリアルタイムで発信・共有できるツールとしての普及が望まれますが、活動開始から5年目、次へのステップを模索中です。

発表者4:熊谷直喜(琉球大学熱帯生物圏研究センター)
タイトル:モニタリングデータ整理のコツとデータ有効活用のための統計解析
要旨:あらゆる生態系調査で蓄積されつつあるモニタリングデータを実際に生物多様性評価や生態系の変化予測へと結びつけるには、1)まず各地の生物的・物理化学的データを収集・統合できるよう基準化しデータベース化する、2)生物多様性や生態系変化とそれらに影響を与えうる要因の関連を包括的に統計解析する必要があります。データベース化のためのデータ整理のコツや、包括的解析を可能とする統計解析手法とその有効活用法を紹介します。

発表者5:牧野 梓(クイーンズランド大学)
タイトル:海洋保全区域選定におけるMarxanの活用と応用
要旨:体系的保全計画では、どこに、いつ、そしてどうやって保全区域を設置するかのを数学を用いた選定アルゴリズムにより、保全目的に効率的に達成する選択肢を提供します。今回は保全計画ツールの一つであり、世界中で最も使われているMarxanについて先行研究例を用いながら、Marxanで何ができるのかを話していきたいと思います。

 
 
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