サンゴ礁
 

第23回大会(2020)

第23回大会報告

※ニュースレター88号では写真付きで報告がご覧になれます。 ⇒ NLはこちら

 2020年の新型コロナウィルスの大流行で、世の中は大きく変わりました。学会も例外ではなく、各学会の大会は基本中止あるいはオンラインでの開催となり、サンゴ礁学会第23回大会についても、当初は石垣島での現地開催だったはずが6月の理事会でオンライン開催とすることが決定されました。大会実行委員会は理事会と理事会が依頼した方々(中村隆志さん、北野裕子さん、熊谷直喜さん)が引き継ぎました。オンライン大会運営の前例の無い中で、準備を進めて下さった実行委員会の方々、そして大会に参加下さった方々に厚く御礼申し上げます。

 日本サンゴ礁学会第23回大会は2020 年11月21 日~ 23 日にオンラインで開催されました。今回はオンライン大会の試行という要素もあったため、参加費は一般会員は1000円(9月23日まで、それ以降1500円)、非会員は1500円、(同3000円)、学生会員や海外会員は無料としました。また、運営は今後の負担を考えてなるべく簡素化し、テーマセッション、英語セッション、公開シンポジウム、懇親会を無くし、発表形式は一般口頭発表とポスター発表に加えて自由集会を基本としました。一方で、なるべく広く参加していただくよう、ポスター発表においてはNPO ポスターと小中高生ポスターの募集を例年通り行いました。また、オンラインの強みを活かして、オンライン企画を自由に提案していただくこととしました。そして、例年の表彰式に加えて、会員の方々と広く意見交換する意見交換会を設けました。

 口頭発表、自由集会、オンライン企画、表彰式、意見交換会にはZoomを用いました。Zoomは多くの方々が大学の授業などで慣れている印象があり、私自身も会議でよく使っていたので基本的な心配はありませんでしたが、ウェビナーにするかミーティングにするかは少し迷いました。結局、参加者の名前が見える方が良いと判断しZoomのミーティングを採用しました。ポスター発表に関しては、いくつかのシステムを検討した結果、SpatialChatが最もポスター発表の場を再現できていると判断し採用しました。SpatialChatに関しては他に使用例が無く、手探りながら事前のアナウンスを早めにし、先方との直接打ち合わせやデモによる確認を行うなど、入念に準備を行いました。ZoomとSpatialChatのホストは私が担い、北野さんとともに国立環境研究所内に大会事務局を設置しました(写真1:省略,NL88参照)。

 大会の内容は、口頭発表40件、ポスター発表33件、自由集会2件、オンライン企画3件となりました。登録者数は170名でした。幸い大きなトラブルは無く無事終了しました。通常の大会に比べるとやや小ぶりとなりましたが、口頭発表が1会場でできたことや、オンラインならではの企画ができたことなど、いくつかのメリットはあったのではないかと思います。口頭発表には70−90名、ポスター発表には50−70名の方々が参加されていました。また、意見交換会では、大会のみならず今後の学会運営についてもご意見をいただくことができました。

 大会期間中の大会事務局の出来事や今後の課題をいくつか。1日目朝には停電により使用予定の建物のネットが落ちていることがわかり、急遽別の建物の会議室を手配し、代議員総会の開始に何とかギリギリ間に合いました。2日目には、停電は回復して朝から当初の予定通り大会を開始しましたが、夕方に茨城県で地震があり、これも停電が心配されましたが事なきをえました。このような冷や汗をかくことがありましたが、後半は、懇親会をオフィシャルにやっても良かったかなと思うぐらいの余裕が出てきました。実はSpatialChatでは談話室を準備し、談話や懇親会をやりたい方はどうぞお使い下さいと事前にお知らせしていたのですが、利用は残念ながらほぼ皆無で、なかなかオンラインでの交流というのは慣れの問題もあって敷居が高いのかもしれません。

 大会後にアンケートをとらせていただき、65名の方々から回答をいただきました。アンケート結果の一部を図1(省略,NL88参照)でご紹介します。幸いにも今回のオンラインの大会は全体的には好意的にとらえていただけたようですが、ポスター発表にはやや課題があるように思われます。アンケートでは参加者どうしの交流を望む声もあり、オンラインでのポスターや交流は次回以降の課題になるかと思います。アンケートの詳細は学会ウェブサイトで公表予定です。次回の大会は、再び石垣島で準備をしていただいていましたが、新型コロナウィルスの状況を考えて、オンラインとすることが後に決定されました。状況が許せば、ハイブリッドでの開催も含め検討いたしますが、今回の経験を活かし運営を行いたいと思っています。

文責:第23回大会 実行委員長 山野 博哉(国立環境研究所)

 
 
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